週刊 奥の院 7.9 ヨソサマのイベント

◇ヨソサマのイベント
■ 神戸文学館企画展 
歴史を未来へ SF作家 小松左京
 
2011・7・22(金)〜9.25(日) 水曜休館
記念講演 
●8.6(土) 14:00〜15:30 眉村卓
●8.27(土) 14:00〜15:30 かんべむさし  
いずれも参加料200円 定員50名
申し込み 神戸文学館まで。078−882−2028
http://www.geocities.jp/miyamoto_tadao/
■ 徳永卓磨展  消えゆく神戸風景を追って ◎1998年〜2011年 神戸ドックとその周辺
 2011.7.21(木)〜26(火) こうべまちづくり会館 078−361−4523 
 兵庫区南部の下町で、工業地帯。大造船所を中心に町工場が立ち並ぶ。「消えゆく神戸風景」。

■ 樺山紘一編 『図説 本の歴史』 河出書房新社 ふくろうの本 1800円+税
1 書物と言う仕組みは  本とはなんだろう 紙という舞台 簡と碑 巻子と冊子 製本と判型 本の設計 ソ持つと図像
2 本が揺り籃から出る アルファベット 漢字 インド文字 アラビア文字コーラン 仏典 四書五経 朝鮮の印刷と出版 多言語対訳聖書 ヨーロッパ中世写本 アレクサンドリア長安
3 書物にみなぎる活気 グーテンベルク ヨーロッパの図書館 禁書 焚書 検閲 翻訳 辞典 版画 書斎 装丁 他、中国・日本の出版の歴史
4 本の熟成した味わい 本は権利のかたまり 本の文明開化 新聞の今昔 学校と教科書 本を読む子どもたち 産業となった出版 ベストセラー 雑誌 他
5 書物はどこへゆくか  神田神保町 デジタル化 本の未来形

 樺山さんが最初に本の最小限の定義をあげる。1 音声ではなく視覚によって伝達される情報の集積 2 社会的な情報伝達の手段 3 情報を運搬したり保存するための手段。 
 デジタル技術によって「情報伝達・運搬・保存」の役割を終えて、単なるノスタルジーの対象にしかならないのだろうか?
 樺山さんは、人間の情報認知能力がデジタルの高速・広範・簡便・大量に耐えられるか未解決で、「本の地位論争」には決着がつけられないこと、また、デジタル化が本の使命を奪ったとしても、人間精神にとって不可欠な感動・美を得られるか疑問であること、予測は不安定と。
 本書で書物の歴史をたどり、「書物は精神的な充足に向けて方向づけられている。本は魂の栄養なのである」と語る。デジタルとアナログ、未解決の問題があります。
(平野)