月曜朝礼 新刊紹介

◇ 【文芸クマキ】
■ 集英社創業85周年企画 『戦争×文学 (戦争と文学)』 全20巻 別巻1 http://www.shueisha.co.jp/war-lite/
第1回配本 第8巻 アジア太平洋戦争 太宰治『待つ』 上林暁『歴史の日』 豊田穣真珠湾・その生と死』 吉田満戦艦大和ノ最期』 三島由紀夫『英霊の声』 他全20編。

第19巻 ヒロシマナガサキ 原民喜『夏の花』 井上ひさし『少年口伝隊一九四五』 美輪明宏『戦』 大江健三郎『アトミック・エイジの守護神』 田口ランディ似島めぐり』 他全16編。
発売記念特価 各3400円+税
編集委員 浅田次郎 奥泉光 川村湊 高橋敏夫 成田龍一
編集協力 北上次郎
装幀 クラフト・エヴィング商會
日清戦争から現代の戦争まで、百年以上の流れの中から作品を精選。9.11以降も。
編集委員は戦後生まれ。新しい世代の視点を反映。
○ 中・短編小説を中心に、純文学からエンターテインメント、戯曲や詩歌も。空想・寓話も。
○ 各巻テーマを表現する『一文字』を書家・華雪が書き下ろし、装幀に使用。8巻は「斃」、19巻は「閃」。
■ 谷内六郎 『北風とぬりえ』 天野祐吉作業室 1600円+税
(帯)「六郎少年が生きた昭和十年代の町・人・風・夢……。押入れの奥に大切に遺された自伝的画文、初の単行本化。」
「ぬりえ」とありますが、モノクロ。

「セコンドの中の工場から」
 虫郎は気管支えんでお祭に行けません。ひんやりと冷えた秋の風が息をすると少し気管支を痛くするように感じます。窓のカーテンに鼻をあてるとちょうどマスクのようになるのでそうしながらガラス戸を開けてお宮のある森の方を見ると太鼓の音と笛の音がひびいています。お宮の方にあぜ道を走って行く晴着姿のフリソデの女の子が二、三人はしゃいで喋りたてている声もひびいてきました。

 セコンドは柱時計の秒針。部屋の中で時計の音を聞きながら夢を見、「夕焼け小焼け」を歌う少年。
【海事ゴット】
■ 渡邊八郎 『華麗なるクルージング 海の船旅』 海文堂出版 1480円+税
 三部作の第1巻。続刊、『河の船旅』『英国水路の船旅』。http://www.kaibundo.jp/syousai/ISBN978-4-303-64000-2.htm
 1935年母上とともに、インド赴任中の父の元へ初クルーズして以来、海外クルーズは80回を超える。
 クルーズとはどんな旅か? から、旅の楽しみ方・過ごし方、情報の取り方を詳しく紹介。航路、船の構造、船会社、お勧めのクルーズも。
 ロサンジェルス発着西メキシコクルーズのDVD付き。カバーを広げると、豪華客船「カーニバル・ドリーム号」(フロリダ−東カリブ海周遊)の全体像が出現。さらに、カバーの裏には、母上のエピソードが全面に。
 本書から、【海文堂出版発行者】が「岡田節夫」に代わりました。新社長になって最初の本。
【雑誌】と【芸能】赤ヘル
■ 『東京人』 7月号 特集:東京を巨大地震が襲うとき
 都市出版 857円+税
○ 首都直下型地震の「想定外」を想定する
○ 自分と家族を守る1週間シュミレーション
○ 安全に帰宅するために
○ いざというときの初動態勢をチェックする
 東京都防災センター、警視庁、消防庁、ボランティア市民活動センターなどの即応体制シュミレーション他、各区防災課にアンケート実施。
 

 今回の震災の報道を見るにつけ、自助・共助・公助と言われるうちの自助と公助に偏しているとの印象を受けました。被災者のこと、政府や自治体の対応(特にその不足)は溢れていますが、コミュニティー消防団などの報道はほとんど目に付きません。しかし、被害が大きければ大きいほど、共助の重要性が増してきます。そこを見直したく、本特集を編みました。



■ 『日本の作曲 2000−2009』 サントリー芸術財団発行 アルテスパブリッシング発売 1800円+税 片山杜秀、白石美雪、楢崎洋子、沼野雄司、が10年間に作曲・発表された作品から83人の147曲を論評。
こちらを。http://www.artespublishing.com/
(平野)