週刊 奥の院

軽蔑

『文藝別冊 中上健次』 河出書房新社 1200円+税
 
2002年刊行の増補版。来年が没後20年になる。遺作『軽蔑』が映画化、6月公開。
【増補】されたのは、
廣木隆一監督インタヴュー  映画『軽蔑』を語る」
「単行本未収録インタヴュー 週刊現代79.7.26号 取材:橋本克彦」

『軽蔑』 (集英社文庫 914円+税)(角川文庫 743円+税)角川映画
 賭博の借金から逃げるカズ、トップレスバーの踊り子・真知子を連れ出す。自分の女になれ、高飛びしようと。カズは暴走族あがりだが資産家の息子。真知子は、先行きに腹をくくるカズの心を理解するが、別の女の存在も感じる。
 真知子は「五分五分だから」と言う。

 五分五分とは、もう子供ではない大人の男と女の恋愛なのだから愛し合う事も五分と五分、先行きに波風が待ち受け、たとえ難破するはめになっても五分と五分。

 女だって、ハードボイルドなのさ。
(平野)