週刊 奥の院

◇「メディアファクトリー」と好みが合うとは気がつかなんだ。これまでも何冊か紹介はしましたが、今回一挙4冊。

1.遠藤千咲 『出社が楽しくなる! ごきげん お仕事術☆』 1100円+税
 働く女子のための“ごきげんテク45”。千咲ちゃんはオモチャの「タカラトミー」勤務。「人生銀行」という貯金箱を考案、大ヒット。
 机を快適に! フセンひとつでもモチベーションアップ。お菓子ボトルを、でん! デスクトップは自己アピール。ホワイトボードはひと工夫。お洋服も、コスプレ気分。通勤タイムは自由時間。
 先輩として「お悩みアドバイス」。電話が苦手、先輩との話、メモ、みんなとランチ、飲み会が苦痛など。
 他に、コミュニケーション、ヘコんだとき、あきらめない力、自分のチアリーダーに! 
 元気・やる気の千咲ちゃんでーす。
 堅物会社員の皆様、決して怒らないでください。

2.『伊藤まさこの雑食よみ 日々、是、一冊。』 1500円+税
 料理・雑貨・暮らしのスタイリスト。童話、料理本、デザイン書、絵本、コミック、山の本、旅の本……。

考えて見れば、本は私の生活の中に、ごく自然と存在しているもの。
それは、自分の中にあまりに当たり前のこととして
浸透していたので、まったく気が付きませんでした。
が、こうしてあらためて考えてみると、
本がない生活は考えられない、ということに気付きました。

 料理と本と旅と本屋めぐり。リラックスして読んでいらっしゃる姿がとても美しい。


3.いいあい 『どどいつちゃん 26文字の恋の歌』 900円+税
 著者はイラストレーター。落語好き。
 江戸っ子の“粋”を現代風に歌います。
 
 春の夜風にからだがおよぐ だれに電話をかけようか
 一人起きてもつまらぬものと すねるところに鳴くスズメ
 今朝の電話で夕べの夢の 主の不実をなしにする
 恋に落ちると星占いがなにを今更 言うのやら
 今朝まで一緒のあなたの顔が 夕には一から見たくなる

 それぞれの歌に解説風の掌編小説がついて、複雑な女心を描いています。
「どどいつ」には「江戸ことば」が似合います。関西弁はあきまへん。 
(平野)なんやいまごろ寝言を言いな 惚れた晴れたとアホかいな

 忘れとった、4. グレゴリ青山 『ねうちもん京都  お金をかけずに京めぐり』 950円+税
 グルグル……? グリグリ……? 当欄おなじみの、グリゴレ青山さんの本。
 

 本書はしぶちん(倹約家)な京都人である
 グレゴリ青山が案内する京都のガイド本です。
 数ある京都の名所、観光エリアから
 「値段以上にもとをとった感」のあるねうちもんのみを厳選しました。
 ……

 京都名所12ヶ所とその周辺の「食べる・観る・買う」、「る・る・ぶ」ならぬ「る・る・う京都」。でもね、グラゴロさんやからね、普通の人とちゃうしね……。
三十三間堂」は仏様オールスターズミュージカルに見えるし、「清水寺」では高層石垣を昇る外国人に納得するし、ほとんど「食べる」ばっかりやし。
 そやけど、読書家であらせられるるグロゴルさん、本屋はきっちり紹介してはります。

◇お知らせでお断り
 クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』のサイン本、誠にすみません、完売いたしました吉田浩美さん、吉田篤弘さんに感謝。お買い上げいただいたファンの皆さんありがとう。今後もサイン本を仕入れられるよう【文芸担当者】と店長に努力させます。