月曜朝礼 新刊紹介

【文芸クマキ】
クラフト・エヴィング商會 『おかしな本棚 背中が語るとっておきの本の話』 朝日新聞出版 1900円+税
 蔵書を自ら考えたテーマで並べる。
「ある日の本棚」「森の奥の本棚」「金曜日の夜の本棚」「美しく年老いた本棚」「蜂の巣のある本棚」「波打ち際の本棚」……「読めない本棚」「返しそびれた本棚」……。それから著者がデザインした現実には存在しない本の棚。
 わからない「本棚」ばかりだが、そのなかでも「蜂の巣」って何だ?
ルネッサンス巷談集』『シルヴェストル・ボナールの罪』他、古い岩波文庫が並んでいる(価格☆表示)。
 思い出が語られる。近所のN君の家の物置、埃だらけの本棚があった。
「なんだろ、あの本」 N君「それね、いわなみぶんこっていうんだよ」
 本棚に“異様な色をした、いびつな形をした、怪物じみた何か”が……。無数の蜂が飛び出してきた。
相方さん(それで?) それからどうなったか覚えていない。
「ただ岩波文庫っていうと、あのときの本棚とあの恐ろしい蜂の巣を思い出す」
 初めて読んだ岩波文庫は、小5のときの『アンデルセン童話集』第5巻。
(なんで5巻?)
「『ソーセージの串でつくったスープ』っていう話が読みたくて、どんな話だったか覚えていないけど」
(なんにも覚えていないんだ)
「そう、肝心なことは」

 本は繰りかえし読めばいい。忘れたら読み返せばいい。別に持っているだけ読まなくてもいい。読みたくなったら読めばいい。持たなくてもいい。
 5月、【クマキ】クラフト・エヴィング商會フェア”開催
中島さなえ 『ルシッド・ドリーム』 講談社 1500円+税 
明晰夢、自覚夢のこと。夢を見ている時に「自分は夢の中にいる」と自覚して、夢の中で願いを叶えられるとしたら、という話。
(帯)「人知れず開かれる、夜の学校で、怖くて楽しい夢の授業がはじまる!」
私、何か変な妄想が……。
この「中島」さんを「さなえちゃん」と認識するのにだいぶ時間がかかった。他の「中島」さんとばっかり思っていました。
4.30(土)5.1(日) 大阪シアターBRAVA! にて、中島らも原作「桃天紅」公演。さなえさんが脚色。http://toh-ten-koh.laff.jp/blog/
ここに海文堂が本の販売に出張いたします。
【芸能】赤ヘル
斎藤明美 『高峰秀子との仕事 1 初めての原稿依頼』『同 2 忘れられないインタビュー』 新潮社 (1)1500円+税 (2)1400円+税
 著者は、教師、テレビ構成作家から「週刊文春」記者。2009(平成21)年9月、松山善三・秀子と養子縁組。善三とともに秀子の最期を看取った。最初は1987年(昭和62)年夏、「文春」の原稿を善三に依頼するが断わられ、善三が秀子に聞いてやろうと。その時はそれで終わり。翌年、担当がふえて秀子に原稿依頼。手紙、何度も電話、「考えとく」の返事ばかり。
 

私はさすがにはっきりさせたくなって、遠慮がちに言ってみた。
「あのぉ、そろそろご確約をいただけないでしょうか?」
 電話の向こうで、「フッ」と一瞬、かすかに高峰さんが微笑んだように見えた。
 と、次の瞬間、答えたのだ。
「じゃ、書こうかな」
 なんだか、このコ、困ってるみたい。
 高峰さんがそう思ったように、私には感じられた。
 私は受話器を持ったまま、お辞儀した。

  
 秀子の執筆記事多数掲載。
【雑誌】赤ヘル
■『新潮45』 5月号 新潮社 848円+税 付録にDVD「永遠の処女 原節子 現存する最古の“幻”の映像 『魂を投げろ』(昭和10年 田口哲監督 部分約30分サイレント版)」
 3月号も併売。特集 伝説の美女「原節子」を探して 848円+税
 付録DVD 「原節子北方領土 15歳の“幻”映像 『生命の冠』(昭和11年 内田吐夢監督 約55分)」
◇「ほんまに」ニュース
牛津太郎「本のある街角から」
 映画のDVDからイギリスの古い街の話に。そこで入手した「ヴァレリーラルボー」。彼の業績。彼の本を神戸で出版をした「コーべブックス」の話。私は当事者でもなんでもないけれど、あの出版を覚えてくれている人が身近にいることが、ほんまに嬉しい。
荒蝦夷フェア 4.25 飛び込み取材あり。神戸酒造業界PR誌『醸界通信』。訂正、平野の間違い。酒造業界報道雑誌「醸界春秋」(醸界通信社)の取材。
(平野)4.23 森達也トーク、こちらで。http://www.ustream.tv/recorded/14215681#utm_campaign=twitter.com&utm_source=14215681&utm_medium=social