週刊 奥の院


毛利子来幕内秀夫 『健康のためなら死んでもいいのか? 子育て、食事の誤解と偏見』 金曜日 1000円+税
 1 健康は数字で測れない
 2 赤ちゃんに任せれば間違いない
 3 お母さんは被害者だ
 4 女性の食事はここが問題
 5 こんなにひどい学校給食
 6 恐怖心を煽って儲ける商売

(毛)ストレスがない。肉好き。嫌いなものはない。
(幕)それでいいと思う。
(高齢者が集まる講演会でいろいろ質問が出るが、答えはひとこと)
「ある年齢を過ぎたら、健康は考えないほうがいい」
 健康をあまりに求めるばかりに、欲望が健康に関するものに集中しすぎている。だから、うまいもの、体にいいものというグルメ指向が肥大化。快楽が食に集中する。

(毛)第二次世界大戦のあと、健康になるためということで最初に言われたのは塩分の摂りすぎ。高血圧になるという話。農山村では保健師が戸別訪問。その徹底ぶりは異常だった。
(幕)あれがいまのタバコです。何かを悪者にしてみんなでやっつけないと気がすまない。
(毛)そういうことが本当の悪者を隠してしまう。農山村の脳出血脳梗塞心筋梗塞は、労働過重だったから。

 ピーマンは食べなくていい、おっぱいは無理矢理やめさせなくていい、病院で出る「カロリーメイトの卵とじ」、女性は情報で(ダイエット食品を)食わされている……。

日本人全体が、体重、ウエスト、血圧、コレステロール、偏差値、平均年収、平均寿命など、「数字」によって脅かされ、縛られ、もがき苦しんでいるように思えてなりません。
本当に、あなたが気にしている「数字」を標準(平均)にすることが幸せにつながるのでしょうか。

 この国は病人を増やそうとしているようにしか思えない、というより、病人を作り出している? 
 変な給食や病院食、栄養のバランスをマジメに考えた結果。
(平野)