週刊 奥の院

■草森紳一回想録を作る会　編集・発行　『草森紳一が、いた。　友人と仲間たちによる回想集』　
３３００円税込　
草森紳一蔵書整理プロジェクト　http://d.hatena.ne.jp/kusamori_lib/
　草森さんは１９３８年２月北海道音更村（現在は音更町）生まれ。２００８年３月心不全のため自宅で死去。一人暮らしで、連絡がとれず心配した編集者たちによって発見された。
　マンガ評論、中国文学、美術、建築、歴史など多彩な分野で執筆活動。
　膨大な蔵書は『本が崩れる』（文春新書）で有名。約３万冊を、０８年６月から有志が整理し目録を作成。１１月、蔵書と資料は帯広大谷短期大学と佐賀県立美術館に寄贈された。
　追悼詩：郄橋睦郎　「読む人　または書刑」

文字が発明され　意味が発見されて
人間の罪悪と世界の不幸が　始まった
知らなかったときの無辜と浄福を思うには
ひたすら読む　読みつづけるしかない
読んだ書物は端から積んで　天井に届き
さらにあらたに積みつづけて　壁面を侵す
食うための場所　寝るための空間など
書物に占領され　疾うに消え失せた
…………

写真：大倉舜二　執筆者多数。
（平野）