週刊 奥の院 第86号+1の1

◇文庫新刊から
関容子 『日本の鶯 堀口大學聞書き』 岩波現代文庫 1220円+税 
 マリー・ローランサンがそう呼んだ。コクトーアポリネール佐藤春夫永井荷風らとの交際など。解説は丸谷才一
1925年、大學は父の任地マドリードでマリーに会う。第一次世界大戦中、彼女の夫はドイツ人でパリから亡命していた。マリーが油絵の手ほどきをしてくれ、アポリネールのことを教えてくれ、散歩のお相手も。22年、大學はパリにいる彼女を訪ねる。小さな紙片を渡される。
 

 日本の鶯
彼は御飯を食べる/彼は歌を歌ふ/彼は鳥です/彼は勝手なきまぐれから/わざとさびしい歌を歌ふ

 1980年角川書店刊(2500円)、84年に講談社文庫。いずれも品切。
山口昌男 『内田魯庵山脈(下)』 同上 1600円+税 
グスタフ・ルネ・ホッケ 種村季弘矢川澄子訳 『迷宮としての世界(上)』 岩波文庫1140円+税
 元版は87年美術出版社(4587円)。
 以上、いずれも元版の古書価格高いです。 
森まゆみ 『断髪のモダンガール 42人の大正快女伝』 文春文庫 657円+税 
 吉屋信子尾崎翠、野上彌生子ら、モダンガールたちの生き方、愛し方。
(平野)