週刊 奥の院 第84号+1の2

きのこ文学

飯沢耕太郎編 『きのこ文学名作選』 港の人 2600円+税 限定特装版3000部
http://www.minatonohito.jp/products/107_01.html
   
解説より。
 

数ある日本の「きのこ小説」、「きのこ詩」の中から、十六篇の作品を選ばせていただいた。

 
「数ある」とは、私、1篇も存知あげない。これは無知? 

萩原朔太郎「孤独を壊した人」
夢野久作「きのこ会議」
加賀乙彦「くさびら譚」
今昔物語より「尼ども山に入り、茸を食ひて舞ひし語(ものがたり)」
村田喜代子「茸類」
八木重吉「あめの 日」
泉鏡花「茸の舞姫
北杜夫「茸」
中井英夫「あるふぁべていく」
正岡子規「蕈狩」
高樹のぶ子「茸」
狂言集より「くさびら」
宮澤賢治「朝に就ての童話的構図」
南木佳士「神かくし」
長谷川龍生「キノコのアイディア」
いしいしんじ「しょうろ豚のルル」

 同じ本の中で、各作品の紙の質・色、活字のスタイル・大きさ・組もいろいろ。挿絵もちがう。八木重吉の詩は、題名も含めて5行ですむのに、12ページを使って、後ろ7ページは紙がちがう。真っ黒ページがいっぱい。
 各作品それぞれの世界があるということでしょう。
 解説の続き。

 なぜこの十六篇なのかと問われると、少々とまどいが生じる。「きのこ文学の名作」という定義があるわけではなく、好みというか、勘というか、きのこ採りの籠の中に「えいっ」と手を伸ばしてつかみ出したところがないわけではないからだ。
 だが一ついえることは、ここで取りあげた作品の作者たちが、いずれ劣らぬ「きのこ愛」の持ち主であるということだ。

 

◇12.5 外から写真を撮っている人がいて、誰かいな? なんやろう? フライデー? 
 平野、撮られてました。古本屋さんのよう。べつに私のうすい頭を写したわけじゃない。
http://www.mobypicture.com/user/horoshobo/view/8162095
(平野)