週刊 奥の院 第81号+1の2

spin

spin 08 特集 季村敏夫:窓の微風/多田進さんの仕事場にて
林哲夫 編・装幀
A5判96頁ペーパーバック 1000円+税 

[目次]
重層するふしぎな出遭―季村敏夫さんに聞く(聞き手…林哲夫
ほとりの詩学『窓の微風』を読んで  時里二郎
尖端の消息 季村敏夫『窓の微風―モダニズム詩断層』をずしっと手にして  金澤一志
季村敏夫邸訪問記  北村知之
季村敏夫著書目録
珈琲漫談 2 多田進さんの仕事場にて
幻脚記 七 他人の記憶 夏の巻  鈴木創士
島びと三代の記  柳原一紱
淀野隆三日記を読む 八  林哲夫
みずのわ編集室 8  柳原一紱
既刊号目次

 
 林さんに語る季村さんの言葉が重い。
 学生運動から脱落して古本屋に勤めた。そこでひっそりと暮らしたかった。古本を思い起こすことは過去と対話することであり、ずっと避けてきた。

林さんは恩人です。古本屋の面白さを伝授してくれたからです。臨川書店時代、ぼくは寡黙というより、意識して極端に口数を少なくし、同僚との付き合いも断わっていました。上司の久保田厚生さん(後に五車堂書店をおこす)は相当に困ったはずです。私の人生暗かったではないですが、おちこむことに自足していました。そうして壽岳文章先生からお預かりした書籍の整理に没頭していました。埃にまみれて罰を受ければいいんだとおもいこんでいたわけです。熱が出ます。

 林さんや『sumus』メンバーに出遭ったこと、大震災の被害と救援活動、闘争以来の行為を再開させることにより古本屋にまつわる記憶がいっきょにほどけたこと、「林さんとの出遭いと地震とは別々の出来事ですが、ぼくのなかでは一つにつながっています」。
 
誠に残念ながら、本号をもって終刊。これまでの7号、完売した号もあるが、全体として苦しい状態。前号で、私の文を載せたのが「ダメ押し」か?
こちらを。http://d.hatena.ne.jp/mizunowa/
(平野)