週刊 奥の院
週刊 奥の院第77号の1
◇筑摩選書創刊 一挙6点 http://www.chikumashobo.co.jp/special/chikumasensho/
■内田樹 『武道的思考』 1600円+税
「本業は武道家」で大学教師は「たずきの方便」とおっしゃる。
こう言うと「何段?」とか「どれくらい強いの?」という質問にさらされる。
「誰かと比べたことがないし、そもそも『強い』ということを基準に武道の修業をしていない」
武道の本旨は「人間の生きる知恵と力を高めること」。
「生きる力」というのは他人と比べるものではない。
比べてよいのは「昨日の自分」とだけ。
以上(まえがき)だけでも目から鱗がボタボタ落ちる。
第一章 武道とは何か? 武道の必修化は必要なのか? 安全心得 大相撲に明日はあるのか? 他
第二章 武道家的心得 プリコルールの心得 「教育」という「おせっかい」 こびとさんをたいせつに 他
第三章 武道の心・技・体 妄想の効用 多田先生の通り道 「年の取り方について」 他
第四章 武士のエートス 痩我慢合戦 教育基本法と真の国益について 柴五郎のこと 他
第五章 二十一世紀的海国談 ナショナリストとパトリオット 負ける作法とその嗜み 「あの国」のやるべきことは 他
他の5点。
■狩野博幸 『江戸絵画の不都合な真実』 1800円+税
■玄侑宗久 『荘子と遊ぶ』 1600円+税
■小谷野敦 『現代文学論争』1800円+税
■古澤滿 『不均衡進化論』 1600円+税
■リービ英雄 『我的日本語』 1500円+税
著者も装丁も、明らかに「新潮選書」狙い打ち。
新潮社も指を咥えているわけではない。「筑摩選書VS新潮選書」で展開せよと、同じ著者たちや類書を推賞してきた。もちろん、乗った。
新潮選書のラインナップ。
■養老孟司・内田樹 『逆立ち日本論』
■出久根達郎 『春本を愉しむ』
■水上勉 『禅とは何か』
■小谷野敦 『日本売春史』
■吉村仁 『強い者は生き残れない』
■大野晋・森本哲郎・鈴木孝夫 『日本・日本語・日本人』
(平野)さて、昨日分で、文芸クマキが身内に敬語を使うほど私のことを敬っている(?……バカにしているのは明白)こと、おわかりいただけたと。そういう存在です。
15日の勁版会のトーク「10年後も本屋でメシが食えるのか」、インターネット中継をしました。私、まったく理解できてはおりませんが、録画でも見られるよう、スタッフが作業中です。出来次第お知らせします。
盛況でした。京都の会員さんも来てくださいました。メモを取る人、ツイッターで情報を流している人、皆さん熱心でした。
今しばらくお待ちくださいませ。