ベスト10&週刊 奥の院

ばかもの

週刊 奥の院 第76号の5

◇「海文堂のベスト10」は、過去2回ほどアップしましたっけ? その後どうなってしまったのだろう……? 毎週水曜日に1週間のベスト10を店内に掲示しています。今週の第1位は、松岡享子編・訳『子どもに語るイギリスの昔話』(こぐま社・1600円+税)。
こちらを。 https://www.kogumasha.co.jp/book/info.php?products_id=1843
伊坂幸太郎湊かなえ渡辺淳一を抑えトップに。以前紹介した『ある子どもの詩の庭で』も依然強く、5位。
なぜ、当店はこういう本が上位にランクされるのか?
実は、魔法使いさんがいるから〜。
 
◇今週のもっと奥まで〜 その2
 マンが悪い(関西弁、間が悪い――巡り会わせが悪いとか、タイミングがどうも……、という感じ)のは、いつものことで、また嫌われてしまう。どうして、すぐ「H」本を紹介するのか? ワザと?
絲山秋子 『ばかもの』 新潮文庫 400円+税 
 大学生ヒデは年上の女性額子に夢中。額子は突然結婚すると言って、ヒデを捨てる。傷心のヒデ、卒業はするが、いつしかアル中に。30歳を越え、仕事を辞め、家族は離れ、友人は去り、恋人は逃げた。
 額子は事故で左腕切断、離婚。額子のことを知ったヒデは、とまどいながらも彼女が住む山の温泉宿を訪ねる。彼女の手料理を食べ、話を聞く。
 彼女が、右腕を洗ってほしいと頼む。毛も剃ってほしいと。言うとおりにしてあげる。まだ彼女を愛しているが、それでも彼女を責める。
「償うよ」と、額子が言った。
 付き合っていた時の額子は、タカビシャだった。言葉も行動も。それが変わった。ヒデはずっと彼女が好きだった。男は純情なのさ。
「ばかもの」という言葉はラストシーンに出てくる。
 お正月映画。成宮寛貴内田有紀主演。
「H」シーンは紙版にて。
(平野)