去年の健康診断結果が判明。イケナイ数値がけっこう増えてました。ワタシ、性格的に問題ある人間ながら身体的にはなんら思い当たる自覚症状もなく、いたって快眠・快食・快便。ごはんもお酒もタバコも、毎日おいしくいただいております。

 「やれやれ、困ったなあ」と思いつつ、とりあえず二次健診を受けてみることにしました。が、「悪いところを全部直して健康でいつまでも長生きしたい! 生涯現役!」という気が全然ないもんで、これもまた困ったところであります。

 最近、『あらゆる病気は治らない』(発行:マガジン・マガジン/発売:サン出版/税込定価1500円/2009年12月刊)という本をおもしろく読みました。著者の塙正男さんは1933年(昭和8年)生まれ。「オレも全身病気だよー」と云いながら、タバコと毎晩のお酒を欠かさず、阪神タイガースとB・レッドソックスを愛するお医者さん歴50年の外科医。

 この本は塙センセとセンセの<笑う患者四人組>末井昭南伸坊上杉清文秋山道男との対談形式になってますが、ひと癖もふた癖もあるこの面々がセンセを心から慕っているというのはスゴイこと! センセがよっぽどの“人物”ということの証明でしょう。

 この本からセンセの語録を。
センセ「病気だってその人の人間力を鍛えると思えばいいんだよー」
センセ「やせろとか塩辛いのを食べるなとか、そんなの個人の勝手だろ……」。笑う患者1「太る自由だってありますよねー。太ったオトコが好きなオンナだっているし……」
笑う患者2「積極的にダラダラして生きていくっていうポジティヴダラダラみたいなのはあり得ないですか?」センセ「あるよー。メタボリックでどうのこうのってくだらないことだよー」

 帯の文句も、なかなかよろしいです。
「……人は必ず老化するよね。人間は程度問題はあるにしてもいろんな病気と同居しながら死へ向かって歩んでるって思ってるから、医者の俺が言うのもなんだけど、そんなに一生懸命病気を治そうとすることないんだよ」

 やあ、なんか逆説的に励まされて元気が出てくるような! ドカドカと出版される「こーやって病気を治す」本やら「あーやってやせる○○ダイエット」の本やら「いつまでも若く! アンチエイジング」の本なんぞより、よっぽどええんでは?
……と思ってしまうワタシ自身にも困ったもんやなあ。

 さーて、二次健診の結果やいかに?  (福岡)