ビジネス書?……?

ジョン・バード

 ■『ホームレスから社長になった男の逆転法則』ジョン・バード/徳間書店 1400円+税
 書名で判断すると、まごうことなきビジネス書であるが、さにあらず。著者はホームレスの自立を支援する「ビッグイシュー」創設者のひとり。もうひとりは「ザ・ボディショップ」のゴードン・ロディック。1991年9月創刊。
 ジョンは1946年ロンドンのスラムで生まれ、5歳でホームレス、7歳から養護施設で育つ。10歳頃から万引き・強盗で少年院行きを繰り返す。少年院での「野原を掘り返す」懲罰で、ある発見をする。それが「3%ルール」。懲罰だから、野原を畑にしようとか、花壇にとかの目的がない。“無益で希望のない労働”だ。ジョンは、広い野原を小さく分割し、それをひとつずつ掘り返す。そうすることで、野原の全体量・作業の進み具合を測り、達成感・励みとした。「3%」は、あくまで小さく分割するという表現。「そんなこと理解できる!」のお怒り、ごもっとも。でもね、こだわる人がいるんです。
 少年院で絵を描きはじめ、出所して美術大学にもぐり込み、受講。教師から正式に試験を受けるよう薦められ入学。20代後半から、美術のセンスをいかし、印刷・出版事業で成功する。
 ゴードンがニューヨークで、ホームレスが売るストリートペーパーに感銘して、ロンドンでも発刊しようと、ジョンを誘う。
 (ジョン) 「チャリティはやらない」
 (ゴードン)「チャリティだなんて、だれが言った?」
 ビジネスとして成立させる。そうでないと意味がないし、長続きしない。
 お隣の編集プロ「シースペース」さんが、「ビッグイシュー」を手伝っている関係で、海文堂は2006年1月、日本初の「ビッグイシュー」バックナンバーフェアを開催しました。我がF岡店長が定期購読していて、我々に読ませてくれている。エライ! 功徳を積んでいるから、貴重品も見つかる訳や。
 で、店長、『一九六八年』どうでっか? 感想、書いてませんけど……。上・下巻読了後に、ということでんな? みんな、待ってまっせー。
 (平野)