こないだ、酔っ払って携帯電話を失くしました。2日後、「みつかりましたよ〜」と駅から連絡アリ。なんと、ワタシの携帯、相生駅(!)までひとり旅をしていたのでした。携帯を失くしたのは、これで2回目。最初の時も、ちゃんと返ってきました。もっと怖ろしいのは、JRの6ヶ月定期券を2回失くしたこと。カミさんにどないな言い訳しようかと蒼ざめること数日、これまた2回とも奇跡的に戻ってきました。
 悪運が強いというか、日頃のおこないがよろしいというか。ま、ワタシ、愛犬「テツ」との散歩で毎朝彼のウンチを拾っていますので、ウンが運につながっているのだと自分勝手に思っておりますが……。ありがとう! 世界でいちばんかわいい犬「テツ」。
 みなさまも泥酔して大切なモノを失くされないよう、くれぐれもお気をつけくださいネ(「オマエに言われとうないわい!」というお声が聞こえてまいりますネ……)。

 さて、映画のおはなしです。去年ワタシが観た映画は1本きり。若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』でした。これでもムカシはけっこう映画青年だったんですが、神戸にビック映劇という映画館があった頃のことなのでムカシもムカシ、大昔のこと。そういえば、ATG映画もいっぱい観ました。映画を観るのは体力勝負というところがありますので、この頃の映画とのご無沙汰は「寄る年波には勝てない」ということでしょうか。

 そんなワタシ、はるばる岡山はシネマ・クレールという映画館まで駆け付けて、ことし初めての映画を観てきました(50割で、1,000円。年とってよかったぁ!)。想田和弘監督の『精神』という映画です。舞台は、岡山市にある小さな外来の精神科療養所「こらーる岡山」。これまでタブーとされてきた精神科に想田監督がカメラを入れ、「こころの病」と向き合う人々がおりなす悲喜こもごもを“モザイク”一切なしで鮮烈に描いた日本初のドキュメンタリーです。「正気」と「狂気」の境界線を問い直し、現代人の精神のありように迫ります。「正気」とは?「狂気」とは? そして、「障がい」者と「健常」者の定義とは? この映画を観て、酔いどれ福岡も(ごくごくたまにですが)しみじみと考えさせられたのでありました。

想田監督は、前作『選挙』でも注目された気鋭の映画監督。<観察映画>という手法で映画界に新風を巻き起こしています。そしてそして、『精神』は、神戸では「神戸アートビレッジセンター」(KAVC)で上映されます(8月15日(土)〜28日(金)。8/18・25は休館)。KAVC、エライ!
前売券は、当店2Fレジで販売中です(当日一般1,700円のところ、1,400円でお買い求めいただけます)。また当店では、想田監督の著書『精神病とモザイク 〜タブーの世界にカメラを向ける〜』(中央法規出版/2009年6月刊/税込1,470円)もリキ入れて販売していきます。

ワタシ、「思い込んだら一直線」、「惚れ込んだらどこまでも」、「飲み始めたら呑まれるまで」というところがありまして……。ただいま、『精神』という映画にゾッコン! 「ひとりでも多くの方に観ていただきたいのであります!」と、暑い夏に輪をかけてヒートアップしております。

『精神』公式サイト http://www.laboratoryx.us/mentaljp/index.php
神戸アートビレッジセンター http://kavc.or.jp/
(福岡)