kaibundo2009-06-12

■『かんぼつちゃんのきおく』中島さなえ双葉社 1400円+税
紹介の一番初めにこれを書くっていうのはさなえちゃん的にはどうなんでしょうか。中島らもさんの娘さんですっていうことを。でも「私は私です」な〜んて言いそうに無い自然体なところがさなえちゃんの魅力でもあるし… 会ったことも無いのに馴れ馴れしくてすみません。らもシンパの多い当店では既に彼女は「さなえちゃん」なのです。らもさんの新刊が読めなくて寂しい思いのあなた。この本でらもさんを感じてください。読み終わったら、いちびりで面白がりの著者やらも夫人美代子さんのファンになっているでしょう。もっと知りたい人はブログ「特盛り★さなえ丼!」を。海文堂にトーク&サイン会しに来てくれはらへんでしょうかねえ。スタンダードブックストアさんみたいにかっこいい本屋さんじゃ全然無いんですけどね。


■『玩具の言い分』     朝倉かすみ祥伝社      1425円+税
 先月やっと、この著書の『肝、焼ける』が講談社文庫になりました。この文庫が抜群に面白いんです。5編すべてが結婚を考える年頃の女性が主人公で、理想と現実と思惑のギャップを絶妙に描いてまったく飽きさせない。昨年『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞した才気あふれる朝倉さんのこの新作短編集『玩具の言い分』も、きっと文芸書好きの書評氏に評価されることでしょう。デビューは遅かったけれど、かなりのペースで書いておられる様子。本を売る側としては、好きな作家がブレイクする日を待ち望んでおります。

(熊木)