kaibundo2009-05-16

 ■『谷川雁セレクション1 工作者の論理と背理』
   『谷川雁セレクション2 原点の幻視者』   岩崎稔・米谷匡史編 / 日本経済評論社 各巻共3200円+税
 谷川雁、1923年12月熊本県水俣町生まれ、民俗学谷川健一は兄。詩・評論、日本共産党入党のち離党、労働運動、サークル運動、語学教育、児童文化事業など広く活動した。95年2月死去。活動の中で出会った人たちがすごい。安西均、那珂太郎、大西巨人井上光晴上野英信森崎和江石牟礼道子吉本隆明村上一郎赤瀬川原平、C・W・ニコル……。
 1巻の帯より……左翼運動のさなか自ら「工作者」として、民衆のサークル運動に力を注ぎ、思想の「自立」に賭けた革命詩人の軌跡を辿る。
 1巻目次 1 詩篇 2 工作者の論理 3 定型の超克 4 サークルと集団
 2巻目次 1 原点が存在する 2 筑豊・大正闘争 3 九州/朝鮮/沖縄 4 意識の海の物語 5 メビウスの囚人

 
 ■『城山三郎久野収の「平和論」』 佐高信編 / 七つ森書館 1300円+税
 城山は経済小説歴史小説家、死後は愛妻家で有名になってしまったが、実は強烈な反戦論者だった。久野は哲学者で平和運動家、「思想の科学」「週刊金曜日」創設にも関わった。ふたりに学んだ佐高が「反戦論」「平和論」をまとめる。
 第一部 城山三郎の「反戦論」 
     「精神の火傷」が生んだ戦争文学 (佐高)
     戦争で得たののは憲法だけだ (城山・佐高)
     世界金融恐慌の読み方 (佐高)
 第二部 久野収の「非戦論」
     『安全』の論理と平和の論理 (久野)
     戦争と宗教と憲法 (久野・佐高)
     非武装的防衛力は幻想であるか (久野)
     目覚めよ! ジャーナリズム (久野・佐高)


(平野)